お別れ・・・ ~わが家を訪れる珍客たち・第6号 パート2~

11月のある雨の日、急遽休みを取った主人と一緒に愛亀ミッシーを車に載せて伊豆半島に向かいました。最初のうちは少量の水でいつもの大きい入れ物にミッシーを入れて、車の後ろに乗せていました。けれども、水量は少なくても、特に高速を下りてからは時々水が飛び散ったので、最後の45分ぐらいは水が入っていないタッパーに入れて、膝の上に乗せることにしました。急に伊豆半島に向かうようになったのは、ミッシーにお別れを告げる時がとうとう来てしまったからです。

ミシシッピアカミミガメがいきなり我が家に現れた時(前回の投稿)は、あれだけ手放したかったのに・・・。今回は事情があって、本当に手放さないといけなくなりました。やっと引き取ってくれる場所が見つかったのに、意外と別れが辛くて、自分でもびっくりしました。

4年前に動物に詳しい生徒にカメの飼い方の本を貸してもらいました。その生徒のお母さんに、「どこか引き取ってくれるところを知りませんか?」と聞いたら、やはりご存知でした。伊豆半島の河津町に、iZoo(イズー)という、賢いネーミングの爬虫類と両生類専用の動物園(体験型動物園)があって、そこは、外来種の放置、繁殖を避けるために、持って行きさえすれば、引き取ってくれるということでした。大変ありがたい話です。

問い合わせたところ、冬眠をさせているなら、冬眠に入る前に持ってきた方がいいということでしたので、急遽主人と予定を合わせて、伊豆に向かうことになりました。

iZoo Entrance

引き渡しそのものは、切符売り場でしてくれましたので、入場しないでカメだけを預けようと思えばそれもできます。前もって言われたことは、蓋付きのプラスチック容器に入れないといけないのと、同意書に著名をしないといけないことでした。どのような同意書かというと、いかなる理由でも、自分のカメについて問い合わせをしないことを約束するためのものです。(後から、飼われている状況を見たらその理由はよくわかりました!)

自分にとっては大事なペットですが、引き渡しが意外とあっさりというか、すんなりというか、あまりにも早く持っていかれそうだったので、「すみません、少し別れを告げる時間をください」と言って、大好きなミッシーにバイバイをしっかり言って、涙ぐみながら窓口の人にお渡しをして、お別れをしました。

私たちはもちろん、どのような状況で飼われるようになるのかが見たかったので、入場することにしました。ものすごい数のアカミミガメがいて、びっくりしました。そしてもっと驚いたことに、同じミシシッピアカミミガメでも、形も大きさもどれもみんな違っていて面白かったです。

 

もう飼えなくなったけど、日本の生態系を壊したくない、良心的には逃すことができないという飼い主にとっては、iZooのような引き取ってくれる場所はとても貴重な存在です。

 

iZooでは、他にも面白い、見ごたえのあるものが多くて、ステキな時間を過ごすことができました。家族連れも多かったのですが、カップルが結構多かったのには驚きました。爬虫類、両生類はあまりデートに向かないような気もしますが、若い男女がたくさん来ていたのが面白かったです。

 

他にびっくりして感動したのは、河津の七滝(ななだる)ループ橋でした。このような橋が存在することすら知らなかったので、最初に「ループ橋」「Spiral Bridge」という看板を見た時は、何だろうと思いましたが、実に面白くて、走行するのが楽しくて、景色がよくて(雨が降っていなかったらもっとよかったのに!)、建築的にもすぐれもので、その存在を知ることができてよかったです。

Nadaru Spiral Bridge

でもこの体験の中一番感動したのは、行く途中にミッシーから学んだ Life Lesson (人生の教訓)でした。

高速を下りて、ミッシーを車の後ろから前に移して、入っていたタッパーを膝を上に乗せました。最初の20分ぐらいはおとなしくしていましたが、それから何かを感じたのか、とてもソワソワして、もがきはじめました。タッパーは壁が高くて、実際に出てくる恐れはなかったですけど、焦っているかのように、本当によく動いていました。

私は、背中をなでながら、「ミッシー、大丈夫だよ!焦らんでもいいに!今から行くところは、今までいたバケツよりもドすごい大きくて、お友だちもたっくさんおる!ママもミッシーにバイバイ言わんといかんのがすんごく寂しいけど、これからはちゃんと大丈夫だから、心配しんでもいいに!大丈夫、大丈夫!!」と、いつもの三河弁でずっと話しかけていました。

泣きながら、色々と考えていました。予想外になついてしまったミッシーとお別れを告げるのが本当に思ったよりも辛かったこと。もう、会えないなんて、本当に寂しい。でも、私たちも、今から行くところでは飼えないし・・・。自分がミッシーにかけていた言葉が、なんとなく神様が私自身にかけようとしている言葉に聞こえてきました。

そうなのです。我が家は引っ越しを控えていたのでミッシーを手放さないといけなかったのです。自分が行く先がどうなっていくのか、わからなくて、不安でもがいたり、焦ったりしていました。環境のこと、子どもの学校のこと、仕事のこと、人間関係のこと・・・。何が待っているのかがわからないというのが不安でした。特に、大好きな新城市を離れないといけないのが、本当に辛くて辛くて・・・。

車の中の光景が、イエス様が私を膝を上に乗せて、背中をなでながら声をかけてくださっているイメージと重なりました。「大丈夫だよ、どりあ。自分はこれからのことが何も見えていないかもしれないけど、わたしは全部知っている。とてもいい環境が整っているんだよ。そうじゃなかったらどりあをわざわざ動かしたりはしないから。だから心配しなくてもいいよ。自分が見えていなくても、わたしはちゃんとわかっているから。任せといて!」

ということで、3月の終わりに主人の仕事の関係で引っ越しをしました。それもあってこの数ヶ月、ブログどころではありませんでした。まだまだ落ち着いたとは言えませんが、少しずつ新しい環境に慣れています。都会なのに少し田舎臭い場所で、周りに緑がたくさんあるのがとても嬉しいです。すぐ近くにミッシーがいないのがとても寂しいですが、ミッシーが大きな池で他のカメたちと一緒に過ごしている、嬉しそうな輝いている目を想像できます。そして私はまだ慣れない環境での日々を神様に背中をなでてもらいながら過ごしていきたいと願っています。

ミッシーとの4年間に感謝、そして新城市での16年間に感謝をしながら!

Our Missy