「第11回 あぐりスクール全国サミット in 東京」 において、長女がおこなったスピーチの原稿です。
「こども農学校」には、3年生の時から6年生の時まで通っていました。毎年同じようなことをやっていても、「来年はもっと上手にやろう」とか、次は何をやるかと期待していたら毎年が本当に楽しい思い出になりました。その中で私は食べ物について、命の大切さについて、農業について、専門的ではないかもしれませんがたくさん学びました。
農学校に通ったことによって、食べ物を育てることはもちろん、食べたり、食材を買ったりするときにも、使われている材料や生産国などを気にするようになりました。
例えば、冬に「きゅうりと大根どっちを食べる?」と聞かれたら当たり前のよう「大根!」と答えるように、「旬」という概念がわかるようになりました。
また、外国よりも日本の食材の方がクオリティーが高いということがわかりました。実際、去年の冬休みにアメリカからおばの家族が来日しました。その時、専業主夫であるおじがミックスを使わずに基本の材料からホットケーキを作ってくれて、「アメリカのと同じレシピなのに日本で作った方が断然おいしい!!」と言ってくれました。
また、命の大切さについても学びました。私たちが生きるためには他の動植物の尊い命が失われていることがよくわかりました。だからこそ、「食」に感謝します。きれいな場所ですばらしい食材で作られたものが食べられるということは喜びになりました。
もちろん農学校ですから農業についても学び、考えさせられました。最も関心を持ったのは自分たちの手で作物を育てるということです。毎年手作業で田植えと稲刈りをやってきて、私も少しは昔一つひとつ手作業をしていた農家の人たちの気持ちがわかりました。そのころは、家族のみんなが農業を手伝っていました。今、労働力をそれほど必要としない機械化で便利になってきています。でも、一つひとつを丁寧に気持ちをこめて育てたいという面では手作業でやりたいなと個人的に思いました。
個人的に最も成長したと思うのは、農学校がきっかけになって自分で食事を作るようになったことです。初めて作ったのはちょうど3年生のころで、「自分たちだけで夕飯を作って!」という母の何気ない一言から、毎週木曜日は自分で作る日と決めて妹2人と協力して作っていました。でも、最初の方は失敗することも多かったです。キャベツをレタスと間違えて買ってきたり、ハンバーグを作ろうとして生肉を台所のあちこちにつけたり、5人家族なのに作った量が全く足りないということもよくありました。
でも、そのような失敗を重ねてできるようになったことが確実に増えていることが、成長につながっています。それにより、台所の使い方や、さまざまな料理の調理方法もわかりました。
4年間農学校に通って大きく変えられたのは私だけではありません。妹2人も農学校に通うようになりました。今でも『ちゃぐりん』を購読して毎月読んでいます。
田植えや稲刈りをした千枚田にアメリカ人である母もたくさん行くようになり、また、日本の食文化についていろいろ学びました。母は、それを題材にくみこんで日本語の弁論大会に出て、優勝することもできました。
私が農学校で過ごした4年間は、知識においても、人生においても、かけがえのない財産となりました。これからまだ農学校に通える歳の子どもの皆さんにも、通い続けることをお勧めします。
このような機会を与えてくださったJA愛知東の皆様に、心より感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。これからも全国の「あぐりスクール」が地域の子どもたちに良い成長の場を与え続けてくださることを願って応援します。これからもよろしくお願いします。
ご清聴ありがとうございました。
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