シンポジウムの懇親会で、一つのできごとにとても感動しました。
司会をしていたので、たくさん食べようと思ってはいませんでしたが、両方の部屋を少し回り、好きなもの(しゃけの刺し身!!!)を食べていました。その中で、新城の若手農家、アグリホリックのみなさまが作ったかぼちゃのポタージュを飲みました。試飲用の小さなコップに入っていました。
そのすぐ後に、大分県から来ていた老夫婦とお話をしました。「大分県に行ったことありますよ」とお話したりしていました(全国の日本語弁論大会のためだったとは、言えなかったのですが・・・)。すると、ご主人が奥様に、「ティッシュある?」と聞いて、奥様がハンカチを差し出したら、「いや、ティシュある?」と、また聞きました。どうも、本当にティッシュが欲しかったようです。そこで奥様がティシュを出したのです。
そうしたら、ご主人がさりげなくそのティシュを私に差し出して、自分の鼻を指して、少し指を上下に動かしました。言葉をまったく使わずに、「お鼻についているよ」と、とても気を遣って私に教えてくださいました。差し出されたティシュで拭いたら、さきほど飲んだスープのコップの縁についていたスープが、飲んだ時に鼻に当たっていたのがわかりました。これから司会を続けてしないといけないのに、誰にも言われないでそのまま講壇に立ってしまうと恥をかくだろうと察しての、気配りと優しさに満ちた行為でした。
しかも!そのやり方が、とても日本的で心が打たれました。女性がではなく、紳士がわざわざ奥様にティシュをもらって、何も言葉に出さずに、私に恥をかかせずに、でも気づかせてくださった・・・。とても親切さに満ちた行為で、本当に心打たれました。
これがアメリカでしたら、気づいた相手が、私が後から恥をかくといけないからと、たぶん言ってくれるだろうけれど、それは、何で拭くかをまったく考えずに(そして私もたぶん手で拭いていたと思う!)、「ね、鼻にスープがついているよ」と、率直に言うと思います。
鼻を拭くように指示をしてくださったことにも感謝していますが、それより、そのやり方においてとても感動をさせてくださった、大分県の紳士にとても感謝しています。
もしいつか機会がありましたら、その紳士にお伝えしたいです:感動を与えてくださって、どうもありがとうございました!