Break Down the Historical Wall:娘のスピーチ(優秀賞)

先月の終わりに、次女が岡崎市にある光が丘女子高等学校で行われた「第30回愛知県中学生英語弁論大会」に参加しました。そこで、60人の参加者のうち、優秀賞(2位)を受賞することができました。

スピーチのテーマは、8月に海外派遣で韓国に行った時に経験したことに基いて、「若い世代が韓国と日本の歴史の壁を取り壊す必要がある」ということについて話をしました。

kyrie-speech

新城市では毎年、新城ロータリークラブの協力を得て、市内6つの中学校から20人の中学3年生が1週間韓国に派遣されます。今回の行程は、ソウルの観光や北緯38度線やウロクトンの見学、大邱(テグ)市の中学校との交流、大邱で2泊のホームステイ、そして慶州と釜山で観光をしてから帰るという、強行軍だけどとても充実した旅行をすることができました。

また、10月中旬に、韓国にいた時のホストシスターが大邱から来日し、我が家で2泊ホームステイをして、とても楽しい時間を過ごすことができました。

韓国派遣に選ばれたこと自体がとても光栄なことでした。その様子は新城市教育委員会のブログ、8月15日から20日、そして新城中学校のブログの10月18日の投稿で見ることができます。

派遣に参加する全ての学生が自分の追究テーマを選んで、出発前と韓国に行っている間にそれについて調べたり、現地の人にインタビューしたりします。娘が選んだテーマは「韓国と日本の歴史」でした。私たちが通っているキリスト教会で、年数回韓国からの団体が訪問して来たり、韓国との和解を求める働きをしたりしているので、娘はある程度その悲惨な歴史のことはわかっているはずでした。けれども、実際韓国に行っている間に、現地の人の意見を聞いたりする時に、本当に大丈夫なのかな、と、少し不安でした。けれども、少し大胆なテーマを選んだことによって、逆にとてもいい経験をすることができました。

よく考えてくれている、しっかりした娘です。これからが楽しみです!

本人の承諾を得て、スピーチとその和訳をここに載せますので、ぜひ、お読みください。

Break Down the Historical Wall

Shinshiro Junior High School

Kyrie Yamazaki-Ransom

Japan and Korea.  Many people know that the relationship between these two countries is not all that smooth.  It is said that these countries are “so close, and yet so far away.”  Why is their relationship so difficult?  I didn’t know why when I was younger, but now I do.  It is because of a thick wall named “History.”

I was interested in this thick wall, so this summer I went to Korea as a member of a Japan-Korea Friendship Exchange.  The study theme that I chose for my trip was “The History of Korea and Japan.”  When Korea was part of Japan, the Koreans were forced to speak Japanese and take on Japanese names.  Both their national and individual identities were taken from them.

So, honestly, I was a little afraid.  When I was in Korea, if I said that I was interested in the history between Japan and Korea, how would people react?  Would they frown at me?  Would they be angry at me?

The first time I talked about my theme was at the school assembly at our exchange school in Daegu, Korea.  When I introduced myself and told them about my theme, I thought that the junior high students might not take it well.  But, to my surprise, they cheered and clapped!  I was so encouraged.  It made me think that maybe they were glad because a Japanese person like me was trying to break down the wall between our countries.

However, I also had a very different experience.  When I went shopping with my host sister, Seyoung, there was a man in the middle of the street shouting something.  I asked Seyoung, “What is he saying?”  She told me that he was shouting about the war with Japan.  This made me think about the people who were hurt by Japan.  Like this man, some people are desperately trying to tell others about their wounded souls.  From the bottom of my heart, I wished that our countries could be reconciled.

By going to Korea, I was able to experience both people’s wounds and people’s warmth.  I think it is important that young people from both of our countries think about and work toward reconciliation.   Wouldn’t it be amazing if, someday in the future, we could tell our children with pride that our generation was the one that broke down the wall that used to separate Korea and Japan?

감사합니다  (Kamsahamnida).

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歴史の壁を崩そう

新城市立新城中学校

山崎ランサム 祈璃恵

 日本と韓国。多くの人々はこの二つの国の関係があまり良くないことを知っています。これらの国は「近くて遠い国」と言われたりします。どうして両国の関係はこんなにむずかしいのでしょうか?私は幼い頃はよく分かりませんでしたが、今は分かるようになりました。それは「歴史」という名の分厚い壁があるからです。

私はこの分厚い壁に興味を持ちました。そんな中、この夏私は日韓親善交流プログラムの一員として、韓国に行くことができました。この研修のために私が選んだトピックは「韓国と日本の歴史」でした。韓国が日本の一部だったとき、韓国の人たちは日本語を話すことや日本名を名乗ることを強制されました。彼らの民族的・個人的アイデンティティが奪われたのです。

正直に言うと、私は少し恐れていました。韓国に行って、日本と韓国の歴史に興味があると言ったら、みんなはどんな反応をするだろう?彼らは顔をしかめるだろうか?私に向かって怒り出すだろうか・・・?

私が自分のテーマについて最初に話したのは、韓国の大邱市にある交流先の学校の集会でした。自己紹介して、自分のテーマについて話したとき、中学生のみんなはあまり良く思わないだろうと思っていました。けれども驚いたことに、彼らは歓声をあげて拍手してくれたのです!私はとても励まされました。彼らが喜んだのは、私のような日本人が両国の壁を崩そうとしているからなのかもしれない、と思いました。

けれども、まったく違う経験もしました。ホームステイ先の中学生のセヨンさんとショッピングに行ったとき、通りで何か叫んでいる男の人がいました。私はセヨンさんに「あの人は何を言っているの?」と聞きました。彼女は、彼は日本との戦争のことについて叫んでいるのだと教えてくれました。その時、日本によって傷つけられた人々について考えさせられました。この男性のように、自分の抱える心の傷について、必死になって誰かに伝えようとしている人々がいます。私たちの国が和解できたらいいのに、と心の底から願いました。

韓国に行くことによって、私は人々の傷と人々のあたたかさを知りました。私は両国の若い人たちが和解に向けて考え、行動していくことが大切だと思います。もしいつの日か、私たちの子どもに、「韓国と日本を隔てていた壁を崩したのは私たちの世代だったのよ」と誇りをもって言うことができたら、素晴らしいと思いませんか?

감사합니다 (カムサハムニダ)。