TCKのポジティブ!!

先日、TCK(サードカルチャーキッズ)についてのポストを投稿してから、少しいけないことをしてしまったかもしれないと思うようになりました。

なぜかというと、どうしてそう思ったかよくわかりませんが、自分の頭の中では、そのポストは他のTCKやTCKと関わりのある人が読むだろうという気持ちで書いたからです。

後から、私のブログを読んでいる人は、そうでない人もたくさんいることを思って、しまった!望ましくない印象を与えたかもしれないと思いました。

そのことを正したいと思って、これを書いています。

どういうことかというと、先日のポストはかなりネガティブなトーンで書いてあったことを、後から気付きました。

それはなぜかというと、TCKが読むだろうと思って、書いていたからです。

TCKはTCKの良さを、言わなくてもわかるのです。

第3の文化、サードカルチャーキッズとして育つ子どもは、本当に多くのベネフィット(利点)があります。

いいことが山積みあって、ありすぎて、もう、語れないぐらいです。

少しだけそのような良い経験、良い特徴を述べますと:

・言語習得能力を身につけられる。

・教科書に載っているような場所を自分の目で見たり、教室で教えているような民族や習慣を自分の身をもって体験したりできる。

・ものごとをとても広い視野で見ることができる。

・あるひとつのことを多くの方面から見ることができる。考えがとても柔軟で、ひとつの状況において多くの可能性を考えることができる。

・寛容や同情の心が早いうちから育つ。例えば、ニュース番組の画面の向こう側では自分と同じ感情や思考を持った、本物の人間が苦しんでいることを痛感できる。

・包容的で多くの人種、意見、価値観があることを認めることができる。

・多くのTCKは精神的年齢が非常に高い。子どもの頃には年上、もしくは大人と一緒にいる方が同い年の子どもと一緒にいるより楽に感じる。

・自分を多くの状況や多くの人に合わせる能力を身につけている。

・観察力が非常に鋭い。

・効率よく旅をすることができる。

などです。

 

これらの、TCKとして育ったベネフィットは、本当です、TCKの間では言わなくてもわかるぐらい、みんなから見て自分が羨ましがられる生い立ちだったことを、当たり前にわかっています。

なので、私も先日の投稿を書いた時に、そのことに触れようとは、まったく思いもしませんでした。

サードカルチャーキッズ 多文化の間で生きる子どもたち」 (Third Culture Kids: Growing Up Among Worlds) の著者たちは、これらのベネフィットをしっかりと挙げながらも、当たり前でない部分に光を当てようとして、その本を書いたのです。

TCK Book Japanese

究極的にいうと、TCKの間では、いい点を取り上げなくてもいいぐらいです。みんなわかっていますから。

けれども、深い部分で、みんなが口にしたくないような部分で、TCKとして育った経験が自分の人生にどう影響したか・・・という話を語ろうとして、著者たちがTCKの本を書いたのです。

そして、いいことがたくさんあるとばかり聞かされ、思い込んでいた私たちは、いいことばかりではなかった、望ましくない部分と正直に向き合って取り組んでいけば、そこには癒しがあり、人生をより深いレベルで、さらにいいところへと導いて行くことができる原動力があるのだと、教えようとしてくれています。

また、先日のポストを読んだ、ある友人から、心配そうに、「どりあ、本当にそこまで悩んでいるの?大丈夫?」と、聞かれました。

大丈夫です。落ち込んだりするような悩みではなく、長期的に、着実に取り組みながら、少しずつでも前進していけば、自分の心が引っかかっていたところに光を当てることによって、これからさらに、さらによくなることが目に見えていますので。

「さらに、さらに」というのは、今までのTCKとして育った経験が、本当に良かったと思っているからです。

うん・・・当たり前に良すぎて、そのことに触れようと思っても見なかったぐらいです。

みなさん、もし誤解を与えてしまっていたとしたら、お詫びします。お赦しください。

これからも色々とドイツでの経験やサードカルチャーキッズについて書くことができたらと思っています。

TCKとして育った経験は、かけがえのないものです。その中でのベネフィットを当たり前だと思わないで、感謝して受け入れながらも、不利だった点をも直視することによって、その経験全体がさらに私の人生への良い影響を与え続けることを信じます。そして、このような機会を与えてくださった両親、米軍、ドイツの町、そしてデュッセルドルフのインターナショナルスクールの皆様に感謝を述べたいと思います。

当たり前でない、さらにすばらしい将来と希望を胸に抱きながら!